臥薪嘗胆

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DVD 劇場版『パンドラ ザ・イエローモンキー』今までにないほどイエモンを深くえぐる作品

1998年4月から1999年3月に行った計113本のステージ『 PUNCH DRUNKARD TOUR』ツアーのドキュメント。内容は未公開のライヴ映像、バックステージ、フォトセッションなど多数。また2013年夏に収録された解散後初の映像も。監督はTHE YELLOW MONKEYの映像作品を多数手掛ける高橋栄樹氏。特典映像はこれも未公開の「WELCOM TO MY DOGHOUSE」「BULB(球根英語Ver.)」「悲しきASIAN BOY」ツアー最終日ライブ終了後楽屋映像、さらにDVD丸々一枚1998年7月20日 ロンドン・アストリアで行われたライブのフル映像と盛りだくさん。

感想です。

映画を見れなかったのもあり、さらに未公開映像が満載、しかも去年久しぶりに4人揃った映像もおさめているということで迷わずDVDを購入!ということで、拝見したのですが、かなり生々しくダウナーな内容でした。予告篇:劇場版『パンドラ ザ・イエロー・モンキー PUNCH DRUNKARD TOUR THE MOVIE』 でも出てきますが例えば…

  • ロックンロールはそこまで幸せな時間を与えてくれない
  • 得たものより失ったものの方が大きい
  • このツアーは失敗でした。(これ、有名ですよね)

スタッフや吉井から否定的な言葉が漏れています。あのツアーが過酷だったっていうのは、聞いていたけど、はっきりとこんな言葉が出るくらいだったとは…。

また、ツアー中のスタッフ事故死のことや、吉井の妻(現在、離婚)が精神的にやばくて、ツアーに同行していたこととか、今までのイエモンの映像作品には出てこなかったようなことにも触れています。
結局このツアーをを分岐点に、イエモンは解散へ向かっていきますが、その根拠をファンとして垣間見た感じがします。

DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る? スペシャル・エディション(Blu-ray2枚組)を監督した高橋栄樹監督らしい、生々しい切り口だったと思います。映像自体が手持ちカメラだったり、ライブ映像も粗い映像だったりで不安定感が演出されています。途中各公演で演奏された「エブリデイ」のライブ映像が一節ごとに切り替わるんですが、まさに毎日同じ曲を同じように演奏するループ地獄を垣間見ます。最終公演の1999.3.10の横浜アリーナでは、それが一気に晴れて、ここに来てやっと救われた感じがします。きっとメンバー達もそんな気持ちだったんでしょう。

ただ、やっぱりファンとしては久しぶりに4人に再会できた喜びがあるし、やっぱり音楽はイエモンそのもので、当時の円熟したライブ映像は聴き応え、見応えあります。特典映像のロンドン・アストリアのライブ映像も、音響完璧で、臨場感ありでかなり良いです。

去年の夏に撮られた4人に最新映像では、ボーリング場での撮影だったらしく、ボーリングを楽しむ4人の姿が映ります。屈託なく笑うメンバーを見ると、ほんとに仲が良かったんだと思います。それだけに、傷だらけでやり遂げた『 PUNCH DRUNKARD TOUR』の重さとのコントラストが対照的で色鮮やかに見えました。イエモンとともに過ごした大学生だった当時の自分の思い出とも重なりあって、淡い気持ちも蘇った。